虫愛でる主婦の日記

gooブログ21年やりましたが、なくなっちゃうのでコチラに引っ越しました。時々ブラックです。

正倉院THE SHOWで再会

日本橋弁松のお弁当を食べて、スタバで一服したあと、

上野の森美術館へ。

 

 

現在開催中【正倉院THE SHOW】を見に行く。

 

shosoin-the-show.jp

 

こぢんまりした美術館なので、混んでるかな?

と思ってたけど、

さすがにド平日の月曜日、比較的すいているのではないか。

 

展示品はすべて本物ではなく、レプリカや再現模造品ではあるけど、

その製造技法や美しさを「残したい」という考えで作られてきた精巧な品々。

製作年はものによって明治時代のものから、2025年に作成されたものも。

製作技法も当時の作り方を再現して、技法を学び取る、という意味合いも

 

おかげで間近で国宝の詳細を体感することができる。

年に一度、奈良の国立博物館で開催される正倉院展で、

本物を見ることはできるけど、

奈良遠いし。

 

ちなみに今年の正倉院展の目玉は、【瑠璃坏(るりのつき)】↓

 

↑ これは正倉院THE SHOWに展示されているレプリカ 2025年製作

 

展示の横で製作工程の映像が流されていて、

台座の製作工程をみると、金箔を貼る技法で水銀を使用したりしていたので、

奈良時代ではかなり危険な工程であったのでは、と推察。。。

(現代ではもちろん、十分危険に配慮した環境で製作している)

 

↑ 東大寺献物帳 の「国家珍宝帳

 展示の最初に壁一面に張り巡らされている。 

 

聖武天皇の菩提を弔うなどの目的で、

光明皇后東大寺に奉献した宝物(600点以上)の目録。

来歴や用いられた技法などを記した貴重な記録で、

これ自体も国宝。(by Wikipedia

 

東大寺献物帳は5通あり、そのうちの一つが「国家珍宝帳」。

正倉院に収められている国宝の数々について、記されている。

(今は9000点以上あるそう)

 

そのお宝(のレプリカ・再現模造)を拝見~

 

↑ 螺鈿箱(らでんのはこ)(模造 1976年、1977年、1979年)

 

↑ 螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)(模造 2011~2018年)

 

↑ 紅牙撥鏤尺(こうげばちるのしゃく) (模造 1978年)

 

↑ 紺玉帯(こんぎょくのおび)(模造 1980年)

 大きなラピスラズリで飾り付けられたベルト。かっこええ

 

↑ 金銀鈿荘唐太刀(きんぎんでんかざりのからたち)(模造 明治時代)

 

↑ 銀薫炉(ぎんのくんろ)(模造 2001年) 

 

中がジャイロスコープのような構造で、

中心にある香炉が、本体が揺れても常にひっくり返らないようにできている。

 

そして、この正倉院THE SHOW の目玉は、【蘭奢待(らんじゃたい)】。

 

天下第一の名香と謳われる。

正倉院宝物目録での名は黄熟香(おうじゅくこう)なんだけど

蘭奢待 の文字の中に「東大寺」が入ってる。

 

↑ この写真は、本物の写真。

 

正倉院THE SHOW にあるのはレプリカだったからか、

白い付箋のようなものは点いてない。

あの付箋には、誰がこの部分を切り取ったのか、ということが記されていて、

足利義政とか織田信長とかの名前が書いてある。

これは香木だけど、権力の象徴でもあったんだ。

 

ワタシ、【蘭奢待】だけは、実物を見た。

奈良の正倉院展に、一度だけ行ったことがあるんだよ~

その時の目玉だった。

再会したのは、この【蘭奢待】なわけ。

 

螺鈿細工のような、宝石のような華々しさは無かったけど、

香木なのにでかいなぁ、と感心した。。。

 

どんな香りがするんだろう

とずっと思ってたけど

この展示会では香りを再現してみた、ということで

蘭奢待のレプリカの周りに、香りを試すためのガラス器がたくさん設置されている。

 

本物の蘭奢待を削って香りを作ることはできないので、

あくまでも成分分析をして、調香師が作ったものだけど

 

「どれも同じ香りです」とは言ってたけど、

場所によって香りの濃度が違っていたので、

いくつか香ってみた。

 

想像していたのと違って、甘い、深みのある香り。

甘すぎず、上品で和風。

この再現した香りを、【蘭奢待香りカード】としてグッズショップで限定販売。

 

一人1点しか買えないけど、夫の分も合わせて2点ゲット。

(まだ開けてない)

 

その他、宝物を360℃スキャンして3Dデジタルデータを作成、

映像として細部や質感を大画面で映し出しているコーナーもある。

(デジタル宝物映像)

 

その映像には、螺鈿紫檀五絃琵琶や、漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)を

バラバラに分解した映像もあって、

その緻密さを知ることができる。

 

 

正倉院の宝物は、今では宮内庁(施設等機関・正倉院事務所)が管理している。

管理のための文書も展示されていて、

毎年状態が確認され、破損や剥離を調べ、修復しているのが分かる。

 

 

宝物だけでなく、楽器の音がどうなってるか、

というのも記録に残されている(音源)。

なので過去に録音された、螺鈿紫檀五絃琵琶の音も聞くことができる。

 

横笛第1号、という宝物の音を聞いたが、

笛の音とは思えないような、漣のようなビブラートが印象的だった。

(奏でる職員の技量にもよるかもだが)

 

 

正倉院展、行きたくなった

(10月25日から。)

 

ところで、

上野の森美術館の英語名は「The Ueno Royal Museum」となっているんだけど、

なぜ Royal?と思ってたら、

営団体の「日本美術協会」は、

明治時代に皇族の支援を受けて設立された団体で、

歴代の皇族方が総裁を務めているから とのこと。

(現在の総裁は常陸宮様)

 

なるほどー