日本橋弁松のお弁当を食べて、スタバで一服したあと、
上野の森美術館へ。
現在開催中【正倉院THE SHOW】を見に行く。
こぢんまりした美術館なので、混んでるかな?
と思ってたけど、
さすがにド平日の月曜日、比較的すいているのではないか。
展示品はすべて本物ではなく、レプリカや再現模造品ではあるけど、
その製造技法や美しさを「残したい」という考えで作られてきた精巧な品々。
製作年はものによって明治時代のものから、2025年に作成されたものも。
製作技法も当時の作り方を再現して、技法を学び取る、という意味合いも
おかげで間近で国宝の詳細を体感することができる。
本物を見ることはできるけど、
奈良遠いし。
↑ これは正倉院THE SHOWに展示されているレプリカ 2025年製作
展示の横で製作工程の映像が流されていて、
台座の製作工程をみると、金箔を貼る技法で水銀を使用したりしていたので、
奈良時代ではかなり危険な工程であったのでは、と推察。。。
(現代ではもちろん、十分危険に配慮した環境で製作している)
展示の最初に壁一面に張り巡らされている。
聖武天皇の菩提を弔うなどの目的で、
来歴や用いられた技法などを記した貴重な記録で、
これ自体も国宝。(by Wikipedia)
正倉院に収められている国宝の数々について、記されている。
(今は9000点以上あるそう)
そのお宝(のレプリカ・再現模造)を拝見~
↑ 螺鈿箱(らでんのはこ)(模造 1976年、1977年、1979年)
↑ 螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)(模造 2011~2018年)
↑ 紅牙撥鏤尺(こうげばちるのしゃく) (模造 1978年)
↑ 紺玉帯(こんぎょくのおび)(模造 1980年)
大きなラピスラズリで飾り付けられたベルト。かっこええ
↑ 金銀鈿荘唐太刀(きんぎんでんかざりのからたち)(模造 明治時代)
↑ 銀薫炉(ぎんのくんろ)(模造 2001年)
中がジャイロスコープのような構造で、
中心にある香炉が、本体が揺れても常にひっくり返らないようにできている。
そして、この正倉院THE SHOW の目玉は、【蘭奢待(らんじゃたい)】。
天下第一の名香と謳われる。
正倉院宝物目録での名は黄熟香(おうじゅくこう)なんだけど
↑ この写真は、本物の写真。
正倉院THE SHOW にあるのはレプリカだったからか、
白い付箋のようなものは点いてない。
あの付箋には、誰がこの部分を切り取ったのか、ということが記されていて、
これは香木だけど、権力の象徴でもあったんだ。
ワタシ、【蘭奢待】だけは、実物を見た。
奈良の正倉院展に、一度だけ行ったことがあるんだよ~
その時の目玉だった。
再会したのは、この【蘭奢待】なわけ。
螺鈿細工のような、宝石のような華々しさは無かったけど、
香木なのにでかいなぁ、と感心した。。。
どんな香りがするんだろう
とずっと思ってたけど
この展示会では香りを再現してみた、ということで
蘭奢待のレプリカの周りに、香りを試すためのガラス器がたくさん設置されている。
本物の蘭奢待を削って香りを作ることはできないので、
あくまでも成分分析をして、調香師が作ったものだけど
「どれも同じ香りです」とは言ってたけど、
場所によって香りの濃度が違っていたので、
いくつか香ってみた。
想像していたのと違って、甘い、深みのある香り。
甘すぎず、上品で和風。
この再現した香りを、【蘭奢待香りカード】としてグッズショップで限定販売。
一人1点しか買えないけど、夫の分も合わせて2点ゲット。
(まだ開けてない)
その他、宝物を360℃スキャンして3Dデジタルデータを作成、
映像として細部や質感を大画面で映し出しているコーナーもある。
(デジタル宝物映像)
その映像には、螺鈿紫檀五絃琵琶や、漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)を
バラバラに分解した映像もあって、
その緻密さを知ることができる。
正倉院の宝物は、今では宮内庁(施設等機関・正倉院事務所)が管理している。
管理のための文書も展示されていて、
毎年状態が確認され、破損や剥離を調べ、修復しているのが分かる。
宝物だけでなく、楽器の音がどうなってるか、
というのも記録に残されている(音源)。
なので過去に録音された、螺鈿紫檀五絃琵琶の音も聞くことができる。
横笛第1号、という宝物の音を聞いたが、
笛の音とは思えないような、漣のようなビブラートが印象的だった。
(奏でる職員の技量にもよるかもだが)
正倉院展、行きたくなった
(10月25日から。)
ところで、
上野の森美術館の英語名は「The Ueno Royal Museum」となっているんだけど、
なぜ Royal?と思ってたら、
明治時代に皇族の支援を受けて設立された団体で、
歴代の皇族方が総裁を務めているから とのこと。
(現在の総裁は常陸宮様)
なるほどー